転職は「逃げ」なのか?臨床検査技師が転職を考える前に知っておきたいこと

【転職は逃げ?】 セルフチェックで後悔しない転職の考え方

「辞めたいけど、これは逃げなんじゃないか」

そう思って、自分を責めていませんか?

上司や親世代から「石の上にも三年」「辞めるのは根性がない」と言われて育った私たちは、転職という選択を簡単には選べない空気の中にいます。

特に医療職、それも臨床検査技師という職種は、人手不足や「患者さんのため」という大義名分によって、さらに辞めにくさを感じやすい環境にあります。

でも、本当に転職は「逃げ」なのでしょうか?

この記事では、転職を否定するつもりはありません。

むしろ、理由があって環境を変えるための転職は、自分を守るための大切な選択だと考えています。

ただ、ひとつだけ伝えたいことがあります。

それは「考えずに選ぶ転職」には注意してほしい、ということです。

転職はゴールではなく、あくまで環境を変えるための手段のひとつ。

だからこそ、一度立ち止まって考える時間が必要なのです。

目次

「逃げかもしれない」と感じてしまう理由

昭和的な価値観が今も残っている

「石の上にも三年」「辞める=根性がない」「我慢できる人が評価される」

こうした価値観は、今でも多くの職場に残っています。

もちろん、これらの考え方が生まれた時代には、それなりの背景がありました。

終身雇用が当たり前で、同じ会社に長く勤めることが美徳とされた時代。

その価値観は、その時代においては正しかったのかもしれません。

でも、今の時代にそのまま当てはめる必要はないのです。

働き方は多様化し、転職は珍しいことではなくなりました。

それなのに、私たちの心の中には「辞める=逃げ」という呪いのような言葉が残っていて、自分を責めてしまうのです。

医療職ならではの辞めにくさ

臨床検査技師として働いていると、さらに辞めにくさを感じる場面が多くあります。

慢性的な人手不足の中で「今辞めたら迷惑をかけてしまう」と感じたり、「患者さんのため」「命を預かる仕事だから」という言葉で引き止められたり。

「辞める=無責任」と感じてしまう構造が、この業界には確かに存在しています。

でも、これは決してあなた個人の弱さや根性の問題ではありません。環境と価値観が作り出している構造なのです。

私も「これは逃げかもしれない」と思っていた

正直に言うと、私も以前は同じように悩んでいました。

辞めたいと思う理由を、自分で否定していました。

「これくらいで辞めるなんて甘えだ」「もう少し頑張れるはず」

「みんな大変なのは一緒なのに自分だけ辞めるだなんて…」

と自分に言い聞かせて、無理をしていました。

でも、違和感は消えませんでした。

毎朝、職場に向かう足が重くなる。

休日も仕事のことを考えてしまう。

検査室に入ると息苦しくなる。

そんな自分を「弱い」と責めながら、でも心のどこかで「このままでいいのか?」という声が聞こえていました。

今思えば、あの違和感こそが、自分の心が発していたサインだったのだと思います。

転職が「簡単な逃げ道」になってしまうとき

ここまで読んで「やっぱり転職してもいいんだ」と思った方もいるかもしれません。

その気持ちは、とても自然なものです。

ただ、ひとつだけ注意してほしいことがあります。

それは、考えずに転職してしまうと、同じことを繰り返しやすいということです。

考えずに転職してしまうと起きやすいこと

転職すると、確かに一時的に楽になります。

嫌だった上司から離れられる。

つらかった業務をしなくて済む。

新しい環境に期待と希望が湧く。

でも、数ヶ月、あるいは1年後。

また同じような悩みを抱えていることに気づくことがあります。

「なんで、また同じような職場を選んでしまったんだろう」

職場を変えても、自分の選び方や考え方が変わっていなければ、本質的な問題は解決しないのです。

「嫌だから辞める」だけでは足りない理由

「今の職場が嫌だから辞める」

この感情は、とても大切です。

自分の気持ちに正直になることは、何よりも優先されるべきことです。

でも、それだけで転職を決めてしまうと、何も変わりません。

「嫌なこと」から逃げるだけの転職は、感情の処理にはなるかもしれませんが、次の職場で「何を大切にしたいか」という視点が抜けてしまいがちなのです。

結果として、また同じような環境を選んでしまい、後悔することになりやすいのです。

転職そのものが問題なのではありません。考えないことが問題なのです。

それでも転職は「アリ」だと思っている

ここまで読んで「じゃあ、転職はしない方がいいの?」と不安になった方もいるかもしれません。

そんなことはありません。

私は、理由があって環境を変える転職は、決して逃げではないと考えています。

理由があって、環境を変える転職は逃げじゃない

こんな状況なら、転職は十分に選択肢になります。

職場の問題について、改善を試みた。

上司や人事に相談もした。

でも、何も変わらなかった。

人間関係について話し合いの場を持った。

業務の見直しを提案した。

それでも、状況は改善しなかった。

心身に影響が出始めている。

睡眠が取れない、食欲がない、休日も憂鬱な気分が消えない。

こうした状況で転職を選ぶことは、逃げではありません。自分を守るための、正当な選択です。

転職はゴールではなく手段

大切なのは「転職すること」がゴールになっていないか、ということです。

「辞めたい」という気持ちの先に、「どうなりたいか」というビジョンはありますか?

もう少しワークライフバランスを大切にしたい。

専門性を高められる環境で働きたい。

人間関係がフラットな職場がいい。

給与をもう少し上げたい。

こうした「なりたい姿」があって、そのために環境を変えるのであれば、転職は有効な手段になります。

転職は、自分を守り、自分らしく働くための選択肢のひとつ。

厳しすぎる必要もないし、甘すぎる必要もない。

ただ、考えながら進めていい選択なのです。

転職活動を始める前のチェックリスト

「転職しようかな」と思ったとき、まずは一度立ち止まって、次のことを確認してみてください。

このチェックリストは、自分を責めるためのものではありません。

思考を整理して、後悔しない選択をするためのものです。

転職前セルフチェック

□ 何がつらいのか、言葉にできている
□ それは「人」か「業務」か「環境」か分かっている
□ 今の職場で改善できる可能性は考えた
□ 辞めたあと、どうなりたいか少しでも想像できる
□ 「とにかく今すぐ辞めたい」だけになっていない
□ 転職以外の選択肢(休む・働き方を変える)も考えた

全部にチェックがつかなくても、大丈夫です。

でも、もしまったく考えていないことばかりなら、それは一度立ち止まって考えるサインかもしれません。

すぐに答えを出す必要はありません。立ち止まって考える時間も、転職という選択の一部です。

それでも迷っている人へ

ここまで読んでも、まだ迷っているかもしれません。

それは、とても自然なことです。

すぐに答えを出さなくていいのです。

「辞めるべきか、残るべきか」という二択で考える必要もありません。

今は考えている途中で、それでいいのです。

考えている時点で、もう逃げではありません。

そして、一人で抱え込まなくてもいいということも、覚えておいてください。

信頼できる友人や家族に話してみる。

転職エージェントに相談してみる。

カウンセリングを受けてみる。

誰かに話すことで、自分の考えが整理されることもあります。

焦らなくていい。急がなくていい。

あなたのペースで、考えていってください。

まとめ|転職は考えながら進めていい選択

転職=逃げ、ではありません。

でも、考えずに選ぶと、同じことを繰り返しやすいのも事実です。

転職は、自分を守るための手段のひとつ。

環境を変えることで、自分らしく働ける可能性を広げる選択肢です。

私は、理由があって環境を変える転職は「アリ」だと思っています。

ただ、それが簡単な逃げ道になってしまわないように、一度だけ立ち止まって考えてほしい。

転職はゴールではなく、あくまで手段だから。

あなたが、自分を責めずに、自分らしい選択ができますように。

迷っているあなたを、応援しています。

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